うつ病寛解後の生活において、私は小林正観さんに最も助けられたと言っても過言ではありません。正観さんのことは、はじめは書籍ではなくYoutubeから知りました。斎藤一人さんの講演動画の中で、全国で年間300回以上、精神や心についての講演会をされるすごい方が居ると聞き、気になってSKPチャンネル(正観さんの会社SKPが配信しているyoutubeチャンネル)を検索したのが始まりでした。
残念ながら、正観さんは2011年10月に亡くなられており、直接お会いすることは叶いませんが、たくさんの著書とCD・DVDを残してくださっているので、今からでも教えや人柄に触れることができます。
私が最初に聞いたのは、知的障害のある長女慶子ちゃんの話でした。慶子ちゃんは障害のため筋力が弱く、運動会のかけっこでは毎年クラスで一番ビリでした。しかし、小学6年生の時、一度だけビリではなくなりそうなチャンスが来ます。同じクラスの子で、怪我をしたけれどどうしても走りたいという子がいたからです。慶子ちゃんはその子よりは早く走れる可能性が出てきたのです。
運動会当日、やはり中盤まで慶子ちゃんの方がリードしていましたが、怪我をしていた子が転ぶと、慶子ちゃんはその子のところに戻っていって助け起こし、一緒に走ってその子を先にゴールさせたそうです。
観客からは拍手喝采、お母さんと慶子ちゃんはニコニコしながら帰宅しました。事の顛末を聞いた正観さんはものすごい衝撃を受け、何百回と考えた結果「慶子の生き方の方が正しい!」と開眼されたとのこと。
正観さんもそれまでは学生運動をしたり、受験戦争を勝ち抜いたり、当たり前に競争社会で生きてきたそうです。けれど慶子ちゃんは学力や身体能力の優劣とは全く別の世界で、そこに居るだけで周りを優しい気持ちにさせ、大切なことを教えてくれる存在です。慶子ちゃんがいなければ、講演家の小林正観さんは生まれていなかったのでしょう。
また、正観さんについて特筆すべきは独特のゆるさとユーモアで、講演会は常に笑い声に包まれています。内容も、「トイレ掃除をするとお金が入ってくる」「人に話をする時はうたしやき(うれしい・たのしい・やくにたつ・きょうみぶかい話)」「ありがとうをたくさん言う」「人からの頼まれごとをする」など、生活の中ですぐにできそうなことばかりです。
な~んだそんなこと…と思われそうですが、実際にやってみるとその効果を実感するかもしれません。本書では、トイレ掃除でうつ病を治した人の例も紹介されています。正観さんご自身はうつ病とは無縁の方ですが、年に2回、精神科の医師の主催で講演されていたそうです。
私のうつ病は回復途中も含めると10年以上。30代半ばには経済的にも追い詰められ、必死に仕事を探しましたが、焦って自分に合わない企業に就職してしまい、2年持たずに体調不良で退職…。稼いでも治療費で出ていくという結果に。
病から這い上がりやっとの思いで働いても、健康な人とは体力・気力のベースが違います。頑張っても報われないことに絶望し、社会への不平不満、愚痴泣き言で頭がいっぱいでした。
そんな時、『ありがとうの神様』をぼんやり読み返しました。自分で考えて行動しても空回りばかりだったので「眉唾だけど、この本に書いてあることはお気楽で面白そうだから本当にお金が入るか実験してみよう。」と思い立ち、その日から自宅のトイレ、出先のトイレも使用後は全て便座を拭いて落ちているゴミを片付けました。さすがに正観さんのように素手で汚れを取ったりはできませんでしたが…。
トイレ掃除を実践していると、たった数日で不思議と穏やかな気持ちになってきました。出先では、次に入る人が気持ち良く使えますように。と思っている自分がちょっと好きになってきました。本に書いてあった通りです。
その後、お金が入ってきたか気になりますよね?結論、入ってきました。まず、不思議とその時に必要なものをいただくことが多くなりました。冬服がないけど高くて買えないな…という時に知人から質の良いお下がりをたくさん頂いたり、素敵なアクセサリーを親戚から譲り受けたり。
そして、しばらくして新しい仕事が見つかりました。そこでは、自分にとっては苦にならず楽しんで作業しているだけなのに、制作物に対して高評価をいただくことがあります。これまで仕事は苦労してストレスに耐え、無理してでも必死にお金を稼ぐものと思っていたけど、そうではなかった。周りの人にも恵まれて、色々なことに感謝できるようになりました。
これは正観さんの教えを実践してみた結果のほんの一部です。気になる方はぜひ正観さんの著書を読んでみてはいかがでしょうか。


