自己流ですが、手描き水彩のストックイラストの売り上げを伸ばすにはどうすれば良いか?3つの方法でリサーチしてみました。まずは自分の作品を見直して、強みと改善点を認識。その後、他の作家さんの手法などを学び、今後の制作に反映させていく作戦です。
自分の作品を商品として見直してみる。
KibiのPXTAとAdobe Stockの販売ページを見直してみると、初期のイラストにはハガキや広告として印刷する時に、文章を入れるスペースがなかったり、用途不明のものが数点ありました。絵のパーツを並べたものは、編集者がPhotoshopなどで好きに切り取って装飾できるようにと考えたつもりでしたが、そもそも細かくレイアウトする時間が無かったり、パーツの配置が苦手な場合、初めから完成されたレイアウトの方が便利です。また、何かしら需要があるだろうと、ぼんやりしたコンセプトで描いたものはやはり売れませんでした…。今思えば、こちらから用途の提案もせずお客様に丸投げしてしまっていました。どんなシーンで使えるかを具体的に提示するのも大事です。次からは、数パターンの完成レイアウトから選べるように改良してみます。
また、もちろん強みもありました。水彩イラストの良い点は、やはり優しい雰囲気や、あたたかみを感じられる点です。これはベクターでは出せない風合いです。ベクター素材は、どんな大きさの媒体にでも拡大縮小できて便利ですが、どちらかというとシャープではっきりしたアイコンや、キャラクター、グラデーションの背景などに向いていそうです。私の素材は、チラシや雑誌、パンフレット、ポスター、映像の一部としての使用を想定していますので、ベクターほど拡大はできませんが、デスクトップで使い易い解像度で出品しています。
さて、改善点と強みを確認したところで、次はリサーチです。

① 他の水彩イラストの作家さんの売れている作品を拝見する。
PXTAでは、買い手として作品を探す時、その作品が過去に購入されたかどうかを知ることができます。これは本来、まだ他で使われていない作品を探す時に使う機能だと思います。よく見ると、とても実績のある方のポートフォリオの中にも、過去に購入のない作品がありました。クオリティが高くても需要がないということがあるようです。逆に、サイト全体でよく売れている順に並べることもできます。何回購入されているかまでは外部からチェックできないのですが、売れるものの傾向が分かるだけでも参考になりました。用途が限定的なもの、個性が強すぎるものはストックイラストとしてはあまり人気がないようです。
特に、人物は髪型や服装などの流行があり、古いと感じられるものは売れなくなる気がします。絵柄やタッチにも流行り廃りがありそうなので、なるべくニュートラルな表現に描く方が良さそうです。もしくは思いきり現時点での流行に乗るのも手かもしれません。
② 過去の自分の作品で何度も売れているものをチェックする。
過去の自分の作品を見直すことも大事です。私の場合、季節の花や行事関連の絵が比較的よく売れていました。鯉のぼりは販売開始から2年間は全く売れなかったのに、3年目からは7枚ずつくらい売れていました。柿も何故か毎年売れています。自分では売れると思ったものが売れず、売れないだろうけど…と一応出したものが売れたりと、この辺は謎が多く、数をこなすしかなさそうです。アクセス数が多くても販売に繋がっていないものもありました。目を引いてはいるけど、使いづらいのかもしれません。

③ note・ブログ・Youtubeなどで人気作家さんの制作情報をチェックする。
今回拝見させていただいたのは、noteのトラノスケさん、とよとよさん、youtubeでは
おえかきフリーランスの先生ゆきさん、ブログではあなんよーこさんです。皆さんそれぞれ工夫と熱意ある制作をされていて、本当に圧倒されます。あああ〜私なんて…全然ダメもう無理〜と心が叫ぶのをなだめつつも、大変刺激を受けました。今後のストックイラスト生活において、目指すべき指標であり、見上げる綺羅星です。
このリサーチで分かったことと実践できそうなことは、とにかく登録枚数が足りない。コンスタントに売るためには少なくとも1000枚以上は必要ということ。人物では指を省略しない方が良い。線画と色を分けてカラーバリエーションや作風違いを量産する。人物はシリーズ化する。画風に合ったジャンルを攻める。クリスマスやお正月などのイベントは外さないこと。販売開始が遅れると売れないので早めにアップすること。他の作品と差をつけるためにディテールを磨き完成度を上げる。などなど…。
サイトをざっくり見るだけでもスゴイ情報量なのですが、もっと勉強してみたくなり、トラノスケさんの初心者向け有料記事を購読してみました。詳しい内容はここでは紹介できませんが、私には目から鱗の内容ばかりでした。まだ試しに1記事購読しただけなのに、ストックイラストの右も左もわからない状態から心強いコンパスを得た気分です。有益な情報が破格で得られますので、とてもおすすめです。
リサーチのまとめ
今回、4年目にして改めてストックイラストについて調べたわけですが、私は基本的なことも知らない見切り発車状態だったんだな~と反省しました。これから先は伸び代しかない…はず。
手描きではなく全ての工程をデジタル化すればスピードアップできそうですが、本業がデジタル作業のため、毎日8~9時間もディスプレイを見つめ続けており、副業でもピクセルを見るのがイヤなのです…。可能な限り発光するものを見たくない。これ以上長時間ブルーライトを浴びたくないという悲痛な眼球からの要望により、素材は水彩画を続けることにします。それでも切り抜き作業はデジタルなのですが、近年Photoshopの目覚ましい進化により格段に短時間で済むようになりました。
ゆっくりペースではありますが、これからも勉強しながら素材作りをがんばります。

